ある晴れた日 [その他]
気持ちのよい朝。コントラストのはっきりした世界。降り注ぐ太陽の光のもとで存在を強く主張する事象たち。万物はあるべき姿を嬉々として曝け出し、本来の色を浮かび上がらせる。それに反比例するかのように、くっきりとした輪郭を落とす影。葉は文字通り青々と茂り、家々の庭先に生える名前も知らない色とりどりの花たちが、幸福なコラボレーションを見せる。この世がこんなにも鮮やかに彩られた世界だったなんて!
思えば、長い間夜の生活が続いていたせいで、自然の光の中で物を見るということから遠ざかっていた。自然の光のもとに映し出された姿こそ、本来あるべき姿なのだということを改めて認識した朝だった。調和の世界。太陽というコンダクターのもとで、それぞれが役割を100%引き出すことに成功したオーケストラのようだ。そしてまるで僕を祝うかのように、世界は陽気なコンツェルトを奏で始める。決して特筆すべき日だというわけではない。他人にとってはいつもと変わらぬ朝かも知れないし、気象学的な見地からも特別な意味は見出せないかも知れない。しかし世界の見方を再認識させてくれたという点で、やはり僕にとっては特別な朝なのだ。
★Today's Set
1. What a Wonderful World(Louis Armstrong)
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