「クロスロード・ギター・フェスティバル2007」エリック・クラプトン他 [音楽の聴き方]
「Crossroads Guitar Festival 2007」(2007)275分
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少し前、渋谷HMVのジャズコーナーに行くと、
スティーヴ・ウィンウッドがギターを弾きまくっている映像が飛び込んできた。
なぜジャズコーナーにスティーヴ・ウィンウッドが?とも思ったが、
しばらく観ているとエリック・クラプトンが登場し、
二人で「クロスロード」を演り始めた。
おおッ?
よく見れば、クラプトンが設立したアルコール依存症治療の施設、
クロスロード・センター支援のためのコンサートDVDではないか。
出てる顔ぶれが豪華。エリック、スティーヴのほか、
ジョン・マクラフリン、ジョニー・ウィンター、ジミー・ヴォーン、
ヒューバート・サムリン、B.B.キング、ウィリー・ネルソン、ジェフ・ベック、
ロビー・ロバートソン、バディ・ガイ…
丁度クラプトンの自伝を読んだばかりだったこともあり、思わず衝動買いしてしまった。
これが、このメンツで40年前のライブだったら、即買いなんだが、
いくら凄いメンバーだからって、普段ならもうちょっと慎重になっていただろう。
結果的にはとても楽しめたからいいんだけど。
■
オープニングで、司会のビル・マーレイがギター弾いて歌うシーンがあって、
そのギターはお世辞にもうまいとは言えないのだが、歌がいい。
堂々としているから、それなりに聴こえる。ブルースを感じる。
結局、歌なんだよなぁ…
続いて登場したサニー・ランドレス。この人知らなかったんだけど、
スライドギターでのフュージョンぽいテクニカルなプレイが新鮮。
歌もうまい。で、2曲目でクラプトンが入ってくるんだけど、
自伝読んでたせいか、クラプトンが弾き出した瞬間泣けてしまった。
正直そこまでクラプトンのファンでもなかったくせに、なんなんだ。
B.B.キングは存在感が凄い。顔で弾くところとか…
歌詞を忘れて踊ってごまかしたりするんだけど、
この人の場合、何やっても許されてしまいます。
ジョニー・ウィンターはかなりヨボヨボでしたが、
スライドギターと歌は、まだ力強かったです。
ジョニー・ウィンターもそうだけど、
大御所の人でも、普段あまり映像を見る機会がないので、
そういう人たちのプレイをじっくり見れるのはよかった。
バディ・ガイとか、ジミー・ヴォーンとか、ウィリー・ネルソンとか
観るのはほとんど初めて。ウィリー・ネルソンよかったなぁ。
こういう機会でもなけりゃ、まず見なかっただろうけど。
■
演奏で耳についたのは、ベテランよりもむしろ若いミュージシャンたち。
その筆頭がデレク・トラックス。
彼のスライドギターは相当にいい!!上手いだけでなく、熱い。
個人的には、このDVDで一番の収穫でした。
クラプトンがツアーに同行させる気も分かるってもの。
黙々と弾く姿もまた絵になる。
そのデレク・トラックスの奥さんであり、ブルース魂を持ったシンガー&ギタリスト、
スーザン・テデスキもよかった。
そしてジョン・メイヤー。少々鼻につくところもあるけど、
ギターも歌も上手いし、表現力もある。
それから、ジェフ・ベックのバンドでベースをプレイしている
タル・ウィルケンフェルド。
HMVのジャズコーナーでこのDVDが流れていたのは、彼女をフィーチャーしてのもの。
若干21歳ということですが、あどけない顔して実に堂々としたプレイ。
しかしオーソドックスなタイプのギタリストが多い中にあって、
ジェフ・ベックの異質な存在感は、よりいっそう際立ってましたね。
そのベックの演奏が2曲だけというのは物足りないが、
スティーヴ・ウィンウッドが5曲も収録されているのは嬉しい。
特に「Peresence Of The Lord」でクラプトンとボーカルを分け合う
二人の姿は感慨深いものがありました。
辺りもすっかり暗くなり、満を持して登場したクラプトンは、
デレク・トラックスとドイル・ブラムホールIIを、
助さん格さんのごとく従えての、圧巻のステージ。
「Tell The Truth」のサビでは鳥肌が立ちそうになる。
この日はコンディションもよかったのだろう、特にボーカルが素晴らしかった。
「次はここに居てほしかった人へ・・・来てるかな・・・」というMCで始まる、
ジョージ・ハリスンの「Isn't It A Pity」では思わずぐっとくる。
■
クラプトンといえば、クールなイメージが強かったのだが、
ここでは終止リラックスし、ナチュラルなイメージで、精神状態のよさを伺わせた。
ステージ脇でカメラを構えるクラプトンの姿も新鮮だ。
そんな和やかムードは全体にも漂っており、皆がその趣旨に賛同し、
互いに敬意を表し、何より音楽を楽しむ様子がよく伝わってきて、
音楽って素晴らしい、と改めて思わせてくれるようなライブだ。
DVD2枚でがっつり4時間半、でもあっという間でした。
「Anyday」The Derek Trucks Band
「Tell The Truth」Eric Clapton
「Presence of the Lord」Steve Winwood & Eric Clapton
良さそうですね~。誘惑に駆られます
by substitute (2008-07-19 23:32)
> substituteさん
僕は楽しめましたよ。substituteさん的にはロビー・ロバートソンが1曲というのはちょっと物足りないかも知れませんね。
by walrus (2008-07-20 17:32)
このDVDは、楽しめますよね~!
我が家の定例鑑賞会でも、まず、J.Beck先生のところのベーシストの話題で盛り上がりました(笑)
21歳は詐称疑惑だろ・・・等。
見所は満載ですが、イヴェントを一番満喫しているのは、間違いなく御大ECだと思います。
by starfish (2008-07-20 22:34)
> starfishさん
まずそこですか(笑)
確かにいろんなポイントで楽しめますよね。
by walrus (2008-07-21 02:13)
デレク・トラックスは流石ですね。
現オールマン・ブラザーズ・バンドでデュアンのパートを任されてるだけのことはありますね。
デレクって名前にもエリックとの繋がりを感じて一人で笑ってました。
このDVDよさげですね。
全部観てみたいなぁ。
ちなみに「TELL THE TRUTH」の映像の1分45秒位。
ステージ脇で愛しそうに微笑んでるのは。
昔恋仲だった、僕の愛しいシェリルちゃんでしょうか?(笑)
なんかムカつくなぁ。。。(爆)
by DEBDYLAN (2008-07-24 01:00)
DEBDYLANさん、それはまさしくシェリル・クロウです。
DVDでは3曲に参加してます。
クラプトンと1本のマイクをはさんで歌うシーンがあるのですが、
何かクラプトンが照れくさそうに見えると思ったら、
なるほど、そういうことだったんですね〜。
by walrus (2008-07-28 03:03)