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「You Need Loving」Small Faces [音楽の聴き方]


Small Faces







<曲> Marriott/Rane
<収録アルバム>『Small Faces』(1966)

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スモール・フェイセズは、ほとんど聴いたことなかった。

中心メンバーのスティーヴ・マリオットが、
のちにピーター・フランプトンらと結成するハンブル・パイや、
スティーヴ脱退後に、ロッド・ステュワートロン・ウッドを迎えて結成された、
新生スモール・フェイセズ(=フェイセズ)は、よく聴いていたが、
その母体ともなった、スモール・フェイセズにまでは、
なかなか触手が伸びなかった。

ザ・フーと並び、モッズ・バンドの筆頭格である、
スモール・フェイセズだが、どうも「モッズ」と聞くだけで、
僕の中でスルーしてしまうところがあったのは事実だ。
別に嫌いというほどではないが、
優先順位としては、後回しになるということだ。

またスティーヴ・マリオットは、大好きなシンガーの一人だが、
ハンブル・パイで聴けるような、パワフルでソウルフルな彼のシャウトと、
僕のイメージするモッズ・サウンドとが、
どうにも結びつかなかったせいもある。

だが、彼らのデヴューアルバム『Small Faces』を聴いて、
3mくらい、ぶっとんでしまった。
スティーヴ・マリオットは、すでにスティーヴ・マリオットだった!

僕の持っているCDは、1996年UK盤だが、
リマスタリングされているせいで、驚くほど音がいい。
全体にかなりパンチの効いたサウンドになっている。

デビュー作だけあって、演奏は適度に荒々しいが、
その分、はち切れんばかりのエネルギーに満ちている。

トレブリーなギターサウンドは、耳に突き刺さり、
真空管の悲鳴が聞こえてくるようだ。

曲はいかにもレトロなモッズ・サウンドとでもいうのだろうか、
キャッチーなR&Bやロックンロールが半数を占める中、
来るべきハードロックや、サイケを予見するような曲もある。

しかしスティーヴ・マリオットはどんな曲でも、
凄まじいまでのボルテージで歌い上げる。常に全力疾走なのだ。
たとえキャッチーな曲だろうと、
そこに気合い度150%の、スティーヴのシャウトがかぶさってくると、
一気に持っていかれる。

その曲で、何もそこまで声を張り上げなくても…とも思うのだが、
それがたまらなく、カッコいいのである。

マッチなんかなくても、彼が叫べば火がついてしまう、というくらいに、
とにかく熱い。

このアルバムを聴くと、ロバート・プラントが、
いかにスティーヴ・マリオットから、影響を受けていたかが分かる。

スモール・フェイセズの「You Need Loving」が、
レッド・ツェッペリン
「Whole Lotta Love」の元ネタらしい、
というのは聴けばすぐに分かるほど、その歌唱法は酷似しているが、
もっともロバート・プラントは、スティーヴ・マリオットのファンだった
というから、これは確信犯的なモノマネなのかも知れない。

そもそも「You Need Loving」にしたって、
ウィリー・ディクスン
「You Need Love」が下敷きにある。

それにしても、この時代のイギリスには、
ほんとに優れたボーカリストが、綺羅星のごとくいたなぁとつくづく思う。

スティーヴ・ウィンウッド
ロッド・ステュワート
ポール・ロジャースロバート・プラント
それに、スティーヴ・マリオット


★Today's Set
1. You Need Love(Muddy Waters)
2. You Need Loving(Small Faces)
3. Whole Lotta Love(Led Zeppelin)
4. E Too D(Small Faces)
5. Come On Children(〃)


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