「レット・イット・ビー」 ~胸にしみる理由(1) [音楽の聴き方]
<曲名>「Let It Be」The Beatles
<収録アルバム> 『Let It Be』(1970)
<作詞作曲> Lennon-McCartney
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■「レット・イット・ビー」の魅力
クレジットはレノン=マッカートニーとなっているが、もちろんポールの曲。
本国イギリスではビートルズ最後のシングルとなった。
(「フリー・アズ・ア・バード」とかは除きます…)
全米1位。アメリカだけで200万枚以上の売り上げを記録。
ローリング・ストーン誌のオールタイム・グレイテスト・ソング500で20位。
ちなみにビートルズでは「ヘイ・ジュード」(8位)、
「イエスタデイ」(13位)に次ぐ(いずれもポールだ!)。
もはや誰もが認める超~名曲。
そんな「レット・イット・ビー」の魅力はどこにあるのか?
メロディの美しさ?・・・イエス!
普遍的なメッセージ?・・・それもイエス!
ポールの切々としたボーカル?・・・もちろんイエス!
どれもイエスだが、ひとつじゃない。
それらが有機的・合理的に結びついて、
詞の世界観(テーマ)を、音楽が見事に体現しているという点に、
この曲の魅力はあると僕は思う。
つまりそれが説得力というものだ。
■ポールの心の叫び
詞の内容は、困難な状況にある自分(ポール)のもとに、
亡き母メアリー(Mother Mary)が現れ、
「なすがままに身を任せなさい(Let it be)」
と啓示的な言葉を投げかけるというもの。
当時ビートルズという沈みかかった船を、
船頭として導こうとするポールであったが、事態は思うようにならない。
そんな中、何かにすがり、救いを求めようとするポールの心情を
この歌はリアルに表現しているように思える。
私小説家のジョンに対し、物語作家と言われるポールだが、
見方によっては、これほど個人的な歌もないのではないか。
だから余計にグッとくるのだ。
■チャリティーで歌われるわけ
この歌はまた、あらゆる困難な状況下にある人々にとって、
共感できる普遍性も持っている。
ポールがいくら否定したところで、そのような人々にとって、
「 母メアリー(Mary)= 聖母マリア(Maria)」であり、
この歌は宗教的な救いの歌として機能するだろう。
「なすがままに」というのは、一見無責任にも聞こえるが、
これは「運命に身をゆだねる」「神の御心のままに」ということで、
その先にはきっと救いがあると言いたいのだろう。
だから、どんなに絶望的な状況にあっても、希望を失ってはいけないという、
ポジティブなメッセージだと僕は捉えている。
この歌が多くのチャリティ・イベントなどで歌われるのも、
きっとそのためじゃないだろうか。
1985 | ライブエイド(アフリカ難民救済) |
1987 | フェリー・エイド |
2001 |
コンサート・フォー・ニューヨーク・シティ (9.11の追悼) |
「Let It Be」Paul McCartney (LIVE AID 1985)
明けましておめでとうございます!
昨年中は大変お世話になりました。
本年も宜しくお願いします^^
『ライヴ・エイド』の時は、最初ポールの
ヴォーカルが聴こえませんでしたね!
クイーンがうっかりプラグを抜いてしまった
ようですよ^^;
by yukky_z (2010-01-03 19:37)
yukky_zさん
明けましておめでとうございます!
こちらこそ今年もよろしくお願いします。
> クイーンがうっかりプラグを抜いてしまった
なっ!そうだったんですか。
by walrus (2010-01-04 00:40)
皮肉的な言い方かもしれませんが、
ポールが曲をこねくりまわさなかったのが良かったんでしょう(笑)
シンプルだから響くモノってありますもんね♪
遅くなりましたが今年もよろしくお願いしますm(__)m
by DEBDYLAN (2010-01-11 00:13)
DEBDYLANさん
こちらこそ、今年もよろしくお願いします。
> シンプルだから響くモノってありますもんね
そうですね。ジョンの「Mother」とかもそうですよね。
by walrus (2010-01-17 12:33)