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『レット・イット・ブリード』ローリング・ストーンズ [音楽の聴き方]

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『Let It Bleed』Rolling Stones(1969年)

1.Gimme Shelter
2.Love In Vain
3.Country Honk
4.Live With Me
5.Let It Bleed
6.Midnight Rambler
7.You Got The Silver
8.Monkey Man
9.You Can't Always Get What You Want

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彼らほど、完璧という言葉が似つかわしくないバンドもないだろうが、
それでもあえて言わせてもらうなら、これは限りなく完璧に近いアルバムだ!

個々の曲が魅力に溢れているのはもちろん、
それぞれが完成したパズルのように、収まるべきところに収まって、
アルバム全体として、強烈なダイナミズムを生んでいる。

演奏は…そこはストーンズ、まぁ相変わらずルーズなのだが、
そこがかっこいいというよりは、そんなものを超越したところにこのアルバムはある。

多彩で奥深いサウンドも、無理なく収めてしまう、
ストーンズという器の深さを感じさせてくれるアルバムだ。

特筆したいのはミック・ジャガーの表現力で、
改めて、こんなに上手いヴォーカリストだったのかと思ってしまった。

1. Gimme Shelter

 

なぜだか分からないが、朝焼けの空を連想させる。それも季節は冬。
夜が少しずつ明けるようにして始まるイントロは、
大名盤のオープニングとしてだけでなく、
メンバーチェンジを経た、新生ストーンズの幕開けを飾るに相応しい。

ミックのヴォーカルはどことなく遠く、シリアスに響く。
この重々しさは、まるで60年代やブライアン・ジョーンズへの鎮魂歌のようだ。

完全にミックを食う勢いの、
メリー・クレイトン(デュエットの女性ヴォーカル)が凄い。

 

2. Love In Vain

一転、暖房の効いた室内を連想させるような、優しく温もりのあるアコギの音。
ライ・クーダーのマンドリンが、チロチロ揺れる暖炉の炎のようだ。

 

3. Country Honk

その名の通り「ホンキー・トンク・ウーマン」のカントリー版。
寛いで、和気あいあいとしたムードが伝わってくる。

 

4. Live With Me

僕の思う、いかにもストーンズっぽい曲。
ピアノやホーンもそうだけど、とくにコーラスの感じが。

 

5. Let It Bleed

歌詞の内容とは関係ないけれど、
気の合う仲間たちと、旅を続けるロード・ムービーのような曲だ。
それも鉄道あるいはバスでの旅。

それはまた人生の旅のようでもあり、
いろいろあったが、何はともあれ旅はまだまだ続くと言ってるよう。
アナログA面の最後がこの曲というのも、よく出来ている。

 

6. Midnight Rambler

この曲のミックの歌い方もかっこいい。ハープも印象的だ。
テンポやリズムがどんどん変わっていき、ライヴ、即興的なノリを感じる。

 

7. You Got The Silver

キース・リチャーズ初のリード・ヴォーカルも味があっていい。
アルバムの中でも、アクセントになっている。

 

8. Monkey Man

 

アルバムも終わりに差し掛かったこの位置にようやく、
僕のもっとも好きなストーンズ・ナンバーが登場する。

ミックのヴォーカルが最高!
彼意外の誰がこの曲をこれほどかっこよく歌えるか。

長い間奏部、2分35秒あたりからのメロディックになる展開が感動的。

 

9. You Can't Always Get What You Want

「Monkey Man」を受ける締めの曲も負けていない。
トラフィック「Feelin' Alright」を彷彿させる濃厚なグルーヴに、
荘厳なコーラスや、パーカッション、キーボードが加わって、
重層的な深みを生んでいる。




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