『ビッチェズ・ブリュ−』マイルス・デイヴィス 〜ケモノの音楽(2)〜 [音楽の聴き方]
■ジョン・マクラフリン
この『ビッチェズ・ブリュ−』、
ロック系ア−チスト、特にギタリストに人気がある。
それも考えてみれば当然で、マイルス自身、
この時期、ジミ・ヘンドリックスに大きな影響を受けていたのだから。
ずばり「ジョン・マクラフリン」という
タイトルの曲があることからも分かるように、
このアルバムにおける、ジョン・マクラフリン(=エレクトリック・ギタ−)の
存在は極めて大きい。
「ギタ−の弾き方を知らない人のように弾いてほしい」
というマイルスの禅問答のような問いかけに対する、
ジョン・マクラフリンの答えがここにある。
マイルスのケモノの咆哮のようなプレ−も凄いけど、
ジョン・マクラフリンのアバンギャルドで超攻撃的なプレイは衝撃だ!!
まるで制御不能の空飛ぶ剃刀(???)のように、
予測不能な動きで、空間を切り裂いていくようなアブなさがある。
ジミ・ヘンドリックスを通して、
60年代後半にロックの世界で起こった革新的な波を吸収し、
ジョン・マクラフリンという稀代のギタリストを得て体現しえたサウンドが、
この『ビッチェズ・ブリュ−』だったと言えるのではないでしょうか。
(つづく)
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