「Pretty Ballerina」Alice Cooper [音楽の聴き方]
<収録アルバム>「Dirty Diamonds」(2005)
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ストーンズにポール・マッカートニーと
大、大御所が新作を出した2005年。
各音楽誌の2005年ベストアルバムを見ると、
上の2組は少なからず顔を出し、軒並み好意的な評価を得ていた印象だ。
ところがというか、案の定というか、
この人の新作は完全に無視状態でしたね。
アリス・クーパーの「Dirty Diamonds」。
(ていうか、日本盤出てないじゃん!そんな扱いなわけ?!)
まあ確かに、ベストアルバムに名を連ねてないからといって、
声高に騒ぐほどの作品かと言われれば疑問ですが、
じゃあ、ストーンズやポール・マッカートニーの新作と何が違うの?
と言われれば、単なる好感度の問題じゃない?と穿った見方をしたくなるほど、
アルバムとしては、決して劣ってるとは思いません。
むしろ、フランツ・フェルディナンドなんかと比べても、
どうどう渡りあえる出来だと思うんですけど。
ただジャケットは酷いですけどね。。。
決して真新しさはないんですが、安心して聴ける作品というか、
100点満点でいえば、ハナから100点は狙ってなくて、
80点を狙いに行って、きっちり80点を取ってるという感じですかね。
そういう意味では、まさに好盤と言う表現がぴったりのアルバムです。
■ポップ
まず意外にもそのポップさに驚かされます。
もともと、ポップセンスはあった人だけど、
ここで聴かれるのは健康的なポップさというか。
曲調も軽快で疾走感のあるカラッとしたロックンロールが多い。
T-2「Perfect」(名曲!)はジョージ・ハリスン風の
リラックスした感じのロックだし、
T-6はストーンズばりのリフが冴えるストレートなロック。
■コンパクト
それから、どの曲もコンパクトにまとまっており、
曲の長さも丁度いい聴きやすいサイズに収まっているのがいい。
ほとんどが3〜4分の間におさまり、もっとも長い曲でも4分半を超えない。
例えば、T-7「Pretty Ballerina」(ゾンビーズのような哀愁漂う佳曲!)は、
A-B-A-Bと来て、次はCメロで盛り上がるのかなと思いきや、
間奏に突入し、再びA-Bの繰り返しで終わってしまう。
ただAメロBメロが美しいので、これ以上のメロは必要ないとも言える。
やり過ぎが多い最近の曲の中では、かえってこの方が新鮮ですらある。
■若さ
そして衰えを感じさせないアリスの声。
サウンドも若い。
T-13ではヒップホップとのコラボも。
他にもバラ−ドからミドルテンポ、
そしてまた初期の退廃的な雰囲気を持った曲と
バラエティに富んでいる。
ここに至って、90年代以降のメタル路線の影は
完全に払拭されたといっていいでしょう。
T-8はメタル調のヘヴィな曲だが、意味合いは異なる。
しかし何をやっても、アリス・クーパーという個性はさすが。
余裕の1枚。
せめて日本盤出しましょ!
★Today's Set
1. Perfect(Alice Cooper)
2. Pretty Ballerina(〃)
3. Public Animal #9(〃)
4. Only Women Bleed(〃)
5. Hallowed Be My Name(〃)
6. School's Out(〃)
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