「アンダーカレント」ビル・エヴァンズ&ジム・ホール [CDジャケット]
「Undercurrent」Bill Evans/Jim Hall
<Photo> Toni Fressel
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とにかく「美しい」の一言です。
この女性、いったい浮いているのか、泳いでいるのか。
もしかして死んでる?
よく分からないが、とてもミステリアスである。
身体のラインが作る緩やかなリズム。
ほの暗い水の中で白い着衣がひときわ鮮やかだ。
またその白が水面に反射してできた輝きは、神々しさすら感じられる。
よく見れば、光に導かれながら天に召されていく図のようでもあります。
しかしジャケットと音楽がこれほど見事にマッチした作品が他にあるだろうか。
「Undercurrent(底流)」というタイトルが示すように、
湖底を静かに撫でていく水のように心地よい音楽は、
まさにジャケットのイメージそのまま。
音楽においては、あくまで音そのものが主体であり、
ジャケットは所詮添え物でしかないと思うのだが、
「Undercurrent」がこれほど響いてくるのは、
このジャケット抜きにはあり得ないんじゃないかというくらい
音楽に対してある種決定的な役割を果たしているような気がします。
僕は「Undercurrent」を聴くときは、なるべく外部の音をシャットアウトし、
魚になったつもりで聴くことにしています。
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