「龍馬暗殺」(1974) [映画の観方]
<監督> 黒木和雄
<出演> 原田芳雄、石橋蓮司、桃井かおり、松田優作
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何度見ても飽きない、そして何度も見たくなるような映画です。
冒頭からしていい!何かを予感させてくれる始まりである。
いい映画というのは、アタマの3分を見ただけで、なんとなく分かる。
まるで黎明期の映画のような、古びたモノクロ映像は、
幕末にタイムスリップしてしまったかのよう。
照りつける陽射しや、風にこすれる葉の音、土の匂いなどにさえ
幕末の空気がしっかり宿っていて、
これはリアルなドキュメンタリーじゃないかと
一瞬、錯覚を覚える。
原田芳雄と石橋蓮司が、たまらなく魅力的。
まだ若い松田優作、桃井かおりの初々しさも見所だ。
しかし何といっても、原田のギラギラした存在感。
生命体としての圧倒的な格好よさ。
本当にうまいですね、この人は。
演技をしているようには見えないもの。
次元が違うというか。
龍馬がとても人間臭く、生き生きとして見えるのは、
原田の演技によるところが大きいと思う。
製作のATG(日本アート・シアター・ギルド)は、
非商業的な芸術映画の製作を目的に設立されたわけですが、
この「龍馬暗殺」は娯楽作品としても、十分楽しめる内容になっていて、
娯楽とアートが、高い次元で無理なく融合した傑作だと思う。
まだまだ観ていない映画はたくさんありますが、
今まで観た日本映画の中では、文句なく一番。
いや、というより、もはや日本映画という枠を軽々超えてます。
松田優作も桃井かおりも大好きです。
滅茶苦茶見てみたい映画ですね!
by anoher-K (2007-10-22 02:52)
> another-K さん
これを観たら、女でなくても原田芳雄に惚れてしまいすよ!
by walrus (2007-10-23 02:29)