「吟遊詩人」GARO [音楽の聴き方]
<曲名>「吟遊詩人」
<収録アルバム>『アンソロジー 1971-1977』GARO(2002年)
<作詞作曲> 阿久悠/日高富明、堀内護
<編曲> 松任谷正隆
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■アコギの鳴り方がまさにCSN!
GAROの全シングル、AB面の曲を収めた『アンソロジー 1971-1977』の中で、
ひときわ異質な存在感を放つのが、この「吟遊詩人」だ。
一般的なGAROのイメージを決定づけた「学生街の喫茶店」を筆頭に、
ヒットを意識したような曲がならぶ中、
これこそ、和製CSN&YといわれたGAROの、面目躍如といえる曲である。
ツインギターのハモリによる、ドラマティックなイントロが期待感を煽る。
3声のハモリや、組曲形式のスタイルなど、まさにCSN&Y。
第2部のコーラスなどは、「デジャ・ヴ」を彷彿させる。
しかし何より僕がCSN&Yっぽいと感じるのは、
アコギの鳴り方だったりする。
それは単に同じギターや弦、ピックを使ったり、
同じチューニングにしたからといって出せるような音じゃない。
ピックを当てる角度や、力の入れ具合など、
おそらく弾き方を相当研究したに違いない。
かまやつひろしが「本家よりうまい」と言ったそうだが、
単なるリップサービスとは思えない。
■ベースは誰?
にしても、こんなマニアックな曲をシングルで出すなんて!
そこにはアーチストとしての、彼らの自信やプライド、
意地といったものが感じられます。
このシングルバージョンは、いろいろ詰め込まれている割に、
4分04秒と聴きやすいサイズになっているが、
実は後半部分がカットされたショートバージョンだ。
フルバージョンは、アルバム『吟遊詩人』に入っている、7分以上にも及ぶ大作。
僕はどうしても、このフルバージョンが聴きたくて、
現在廃盤の『吟遊詩人』を、ネットの中古CDショップで買ったのですが…
正直、後半のパートはなくてもいいと感じました。
ちょっと期待しすぎだったかもしれません。
それでも、このシングルバージョンは素晴らしい!
音もアルバムバージョンより、少し大きめだ。
ところでこの曲、第1部の2コーラス目から入ってくるベースが、とてもかっこいい。
アルバム『吟遊詩人』のクレジットによると、
曲毎のクレジットはないが、ベーシストとして
細野晴臣と寺尾次郎(シュガーベイブ)が参加している。
この粘っこいグルーヴは、なんとなく細野っぽい気がするが、
果たしてどうなんでしょう?
この時代の邦楽って奥が深いというか、聴きこむとすごく面白いですね。
by EVH (2009-04-26 22:15)
EVHさん、nice!&コメントありがとうございます。
たしかに面白いですよね。
70年代初期って、日本語のロックが誕生しつつあった時期で、
洋楽の影響を受けて、試行錯誤したようなバンドが多かったような気がします。
by walrus (2009-05-02 23:33)