『生聞59分!!』憂歌団 [音楽の聴き方]
『生聞59分!!』(1977年)
1. マディ・ジャンプス・ワン
2. イフ・アイ・ディドゥント・ラヴ・ユー
3. 俺の村では、俺も人気者
4. 10$の恋
5. シカゴ・バウンド
6. パチンコ~ランラン・ブルース
7. ステイ・ウィズ・ユー・フォーエバー(君といつまでも)
8. ローリン・アンド・ランブリン
9. イン・ジ・イブニング
10. おそうじオバチャン
11. ひとり暮らし
12. 嫌んなった
13. イコマ(女町エレジー)
14. 憂歌団のテーマ(嵐を呼ぶ男)
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これ最高です。
個人的には、邦楽の中でベスト5には入る、お気に入りの1枚。
アコースティック・ブルースの、そしてライブ・アルバムの傑作。
■
「わ、わん、とぅ、すりぃ…わん、とぅ、すりぃ」と
マイクチェックを繰り返すボーカルの木村に、
「わん、とぅ、すりぃ、しか知らんのか!」と客席から野次が飛ぶ。
それでも「わん、とぅ、すりぃ…」と繰り返す木村に笑いが起こる。
こういうやりとりって、いかにも大阪的な感じがしていい。
そんな会場の親密な空気を伝える、オープニングから一転、
颯爽と、1曲目のインスト「マディ・ジャンプス・ワン」が始まる。
あいだに入る木村の掛け声のかっこいいこと!
こういう何気ない掛け声なんかを、かっこよく聞かせられる人って
あまりいない気がする。
2曲目は英語で歌う「イフ・アイ・ディドゥント・ラヴ・ユー」。
僕は彼らが英語で歌うなんて想像もしてなかったから、これには意表をつかれた。
発音はあまり分からないけど…なんか外人っぽい。しかも黒人のおばちゃん!
非常に色気のあるボーカルがいい。
T-6「パチンコ~ランラン・ブルース」は、
血管が破れるんじゃないかというくらい凄いシャウト。
途中、構成を忘れたのか、「あれ?」だって(笑)。
で、演奏がずれたりするんだけど、それも愛嬌というか。
ハプニングというより、そういう演出なんじゃないかとさえ思ってしまう。
この曲と次の曲がアナログでいうA面のハイライトだろう。
→「パチンコ~ランラン・ブルース」憂歌団
http://www.youtube.com/watch?v=CL8W8VGWKwc
そのT-7 加山雄三の「君といつまでも」のカヴァーが好きだ。
彼らの鉄板なのか、観客も待ってましたとばかりに盛り上がる。
二枚目にびしっと聴かせてくれるところ、ウケを狙うところ、
ネタとして完成されている気がする。
T-10「おそうじオバチャン」は、おそらくこの日一番のパフォーマンス。
スウィンギーな一体感が心地いい。
■
いや、それにしても歌がうまい。
うまい人は他にもいっぱいいるけど、
これほど情感豊かに聴かせられる人は、そうそういないんじゃないか。
勘太郎のギターも素晴らしい。
この人のフレージングはジャジィでおしゃれ。
「ひとり暮らし」のソロなんか、うっとりするような美しさ。
バッキングも、歌心があって、聴いてて飽きることがない。
これだけ弾けたら楽しいだろうなあ。
洋邦のカヴァーあり、インストあり、テーマあり、
かっこよく決めたかと思えば、笑わせてくれたり…とにかく飽きさせない。
また、冒頭のシーンに象徴されるように、
客とのダイレクトなやりとりまで、しっかり収められ、
まるでその場にいるような臨場感。
これぞライブ盤というライブ盤。
文句なしの傑作!
> 文句なしの傑作!
迷わず1票です。
by substitute (2009-09-04 22:28)
substituteさん、毎度ありがとうございます!
そう言えばsubstituteさんも憂歌団の記事書かれてましたね。
by walrus (2009-09-06 02:53)
憂歌団はライヴが最高ですね!!
生でも何度か聴いたコトありますが、
笑わせてくれながら、
ちゃんと音楽を聴かせてくれます^^。
by DEBDYLAN (2009-09-06 22:50)
DEBDYLANさん、生で観たことあるんですか〜!
僕はまだないんですよね〜。
いつか観たいと思ってるんですが。
by walrus (2009-09-10 01:39)