2006ドイツW杯 〜8 封印された魔法〜 [サッカー]
黄金の中盤を誇った日本、
史上最高のタレントを揃えたイングランドに続き、
またしても、史上最強と前評判の高かったブラジルがその姿を消した。
魔法のカルテットは最後まで魔法を封印したままだった。
強豪国が初戦から飛ばしてきた今大会の中で
ブラジルだけは相変わらずマイペースで、
ピークはあくまで決勝戦とでも言うように
徐々に調子を挙げていくというこれまでのやり方。
それでも、勝ててしまうところがブラジルの凄いところだが、
内容的には決して満足できるものではなかった。
僕が見たかったのは調整中のチームやリハビリ中の選手ではなく、
内容的にも他を圧倒するような、スペクタクルなサッカーだ。
ロナウドは、記録のためだけに出ていたようなものだろう。
それによってブラジルは大きなツケを払うハメになった。
ロナウジーニョはバルセロナでのような、伸び伸びしたプレーが見られず、
どこかチームメイトに遠慮しているように見えた。
カカは…まぁあんなもんだろう。
老いたカフーに変わってシシーニョをもっと使うべきではなかったか。
彼の面構え、そしてボールの持ち方、好きだなあ。
生きのいい鉄砲玉のように常に獲物を狙うような姿勢。
危険な香りがする男。
それからブラジルはジダンをフリーにし過ぎた。
あれだけ自由にやられれば、そりゃ決定的な仕事をするって。
しかし改めてジダンは上手いですね。
パスひとつとっても、単にパスを通すだけでなく、
そのあとの展開も読んで、最も効率的な攻撃に結びつくポイントに出してあげる。
しかも自分がパスを受けるときから、その後どこにどうパスを出して、
自分はどう動こうかというのを瞬時に計算している。
その判断の速さと展開を読む力はさすが。
だからジダンがいいときのフランスは攻撃が早いんですね。
それにしても結局ピークを迎える前に去ってしまったブラジル。
やっぱり寂しいですね。
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