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「ホワイル・マイ・ギタ−・ジェントリ−・ウィ−プス」ザ・ビ−トルズ [音楽の聴き方]

<原題> While My Guitar Gently Weeps(The Beatles)
<収録アルバム> 『The Beatles』The Beatles(1968年)[TOCP-51119・20]
<作曲> George Harrison
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印象的なピアノのイントロ。
下降するベ−スラインに対し、トップノ−トがしばらくステイし続け、
緊張感を演出する。ギタ−の曲なのにピアノからってのも面白い。

ジョ−ジの繊細で壊れそうなボ−カルは、
ジョン
ポ−ルのような溌溂とした声とはまた違った魅力があって。

マイナ−キ−からメジャ−キ−への展開も素敵。
サビに入ると同時に目の前に光が差し込み、優しい気持ちが満ち溢れてくる。

極めつけは、むせび泣くようなギタ−。このリ−ドギタ−を弾いてるのが、
ジョ−ジの親友、エリック・クラプトンというのは有名ですが、
果たしてジョ−ジはどのような気持ちで、この曲をクラプトンに任せたのだろうか?

この時期ビ−トルズはすでにバラバラになりつつあって、
みんなそれぞれ一度は辞めると言って出て行こうとしたことがあるが、
その度に他のメンバ−が「まあまあまあ」といって引き留めた。
ところが、ジョ−ジが辞めると言ったときだけは、
ジョンは「じゃあ、代わりにエリック・クラプトンを入れよう」と言ったとか…

どこまで本気で言ったのか分かりませんが、このエピソ−ドからも分かるように、
ビ−トルズにおけるジョ−ジの立ち位置というのは微妙なものだったと言えるでしょう。
そしてそれを一番感じていたのがジョ−ジ自身だったんじゃないでしょうか。

二人の天才の間で常に劣等感に苛まれ、作曲や歌の上手さだけでなく、
下手したらギタ−だってジョンやポ−ルに適わないかも知れない、
という思いもあっただろうと思います。

そんな彼がまさにギタ−について歌った曲で、
他人にリ−ドをとらせるというのはどういうことなのかと。

言ってみれば、ギタリストとしての存在証明をかけた曲という考え方もできるわけで。
それをいくら親友だからといって、バンド外のミュ−ジシャン、
それも自分の代わりとして、ギタリストの座を奪われかねない相手に託すとは。
(と言ってもクラプトンにその気があったとは思いませんが…)

初めからクラプトンに弾かせようと思って書いたのか、
それとも、途中でこれはクラプトンにぴったりだと思ったのかは分かりません。
よく言えば、自分のプライドより楽曲の完成度を優先した結果だとも言えるし、
ネガティブな見方をすれば、他のメンバ−への当てつけのようにも思えるし。

この曲が入っている『ホワイトアルバム』は、
曲によっては全員が参加しなかったり、1人で全部やっちゃったりというのもあって、
ジョ−ジにしても、みんなが勝手にやるんだったら、俺だって勝手にやらせてもらうよ、
という気持ちがあったのかも知れないですね。

結果的にはクラプトンのギタ−はハマっているし、
今となってはクラプトンのギタ−以外ちょっと考えられないですが、
外部のミュ−ジシャンを重要なポストに起用するというアイディア自体も
画期的だったと思います。

それにしてもリ−ドギタ−だけでなく、奥さんもクラプトンに譲ってしまった
ジョ−ジですが、それでもクラプトンと親友でいられるというのが凄い!
そのぐらいの器の人間でなければ、ジョンとポ−ルという二人の天才の間で
やっていくことはできなかったでしょうけど。

91年、エリック・クラプトンとともに来日したジョ−ジ・ハリスンのライブを
東京ド−ムで観ました。
ハイライトは何と言っても、二人の共演による
「ホワイル・マイ・ギタ−・ジェントリ−・ウィ−プス」
さすがに感慨深いものがありました。

ちなみに上の写真は、最近ほったらかしにしており、
違う意味で泣いているマイ・ギタ−。
モノクロで分からないかもしれませんが、
ちょっと珍しいチェリ−レッドのレスポ−ル・スタンダ−ドです。

偶然にも「レボリュ−ション」の映像でジョ−ジが弾いていたのが、
同じチェリ−レッドのレスポ−ル・スタンダ−ドでした。
ジョ−ジのは「ホワイル・マイ・ギタ−・ジェントリ−・ウィ−プス」の
オ−バ−ダヴィング後に、クラプトンからプレゼントされたものだそうで。
そんな縁もあり、思い入れの深い1曲です。

 

★Today's Set
1.While My Guitar Gently Weeps(The Beatles)
2.〃(Eric Clapton、Paul McCartney ほか)
3.Layla(Eric Clapton)


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deacon_blue

☆ Nice!ありがとうございました。ギターは「泣く」物だと,この曲を聴いて初めて知りました。
by deacon_blue (2007-06-10 03:29) 

walrus

> deacon_blueさん
こちらこそ、いつもありがとうございます。
僕がこの曲を初めて聴いたのは多分中学の頃で、そのときはギターがどういうプレイをしてるかなんて意識していませんでしたが(あれがギターの音だと分かっていたかどうかも怪しいものです…)、あとで弾いているのがクラプトンだと知って驚きました。
by walrus (2007-06-10 10:42) 

walrus

いっぷくさん
nice!ありがとうございます!
by walrus (2008-03-17 05:19) 

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