『ヘルプ！』ザ・ビートルズ

『Help!』The Beatles（1965年）

 1. Help!
 2. The Night Before
 3. You've Got To Hide Your Love Away
 4. I Need You
 5. Another Girl
 6. You're Going To Lose That Girl
 7. Ticket To Ride
 8. Act Naturally
 9. It's Only Love
10. You Like Me Too Much
11. Tell Me What You See
12. I've Just Seen A Face
13. Yesterday
14. Dizzy Miss Lizzy

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いま、ビートルズのリマスター盤を、
1stアルバムの『プリーズ・プリーズ・ミー』から順に、
（ざっと）旧CDと比べながら聴いている。

リマスターということで、どれほど音がよくなってるのか楽しみにしていたのだが、
いきなりちょっと肩すかしを食らった気がした。

というのも『プリーズ・プリーズ・ミー』は、
旧盤の方が音が大きく、迫力もあるように思えたからだ。

確かにリマスター盤は、音質はよくなっていると思うし（レンジが広がった？）、
僕の聴いている環境が、必ずしも音響的に理想的でないのは事実だろう。
（PCからヘッドフォンで聴いている）
きっとそれなりのステレオ・システムで聴けば、
もっと違いが明白で、感動できるのかも知れないが…
今はとりあえず我慢するしかないってことで。

ステレオ盤に関しては、どうしても聴きなれないせいで違和感があるが、
モノでは聴き逃していた音がクリアに聴こえてきて、これはこれで新鮮だったりする。

『ウィズ・ザ・ビートルズ』は、音量的な差異はあまり感じなかったが、
リマスター盤は、旧盤よりも高音のノイズが押さえられ、低音が強調されているようだ。

『ア・ハード・デイズ・ナイト』もそれほど音量に差は感じなかったが、
やはり旧盤の方が迫力ある気がした。
きれいな音＝迫力ある音ではないのだ。当たり前か。

『ビートルズ・フォー・セール』あたりになると、
明らかにリマスターの恩恵が感じられるようになる。
もともとの録音技術の向上に加え、音楽性の変化もあるのだろう。
そのフォーキーなサウンドが、みずみずしく豊かに聴こえる。
ただし（これは他のアルバムでも言えることだけど）
モノとステレオではスピード（ピッチ）に差があるのが気になった。
「I'm A Loser」などは表示時間にして8秒も差がある。
これはどういうことだろう？

■

そして、『ヘルプ！』である。
『ヘルプ！』と『ラバーソウル』は、リマスター・モノラル盤に、
リマスター・ステレオ盤とは別の、ステレオ・ミックス・バージョンが入っているので、
旧盤（ステレオ）、リマスター・モノラル、ステレオ・ミックス、
リマスター・ステレオの4種類を比較することができる。

『ヘルプ！』のリマスター・モノラルは、
（ここへきやっと）旧盤より音量も大きく、迫力を感じた。
ステレオ・ミックスは、旧盤を素直にクリアにし、音量を上げた感じだ。
だがリマスター・ステレオは、さらにリッチなサウンドになっている。
（少々大仰な感じがなくもないが…）

そこで旧盤に戻って聴いてみると…
まるでコンタクトを外したときのように、サウンドがぼやけて聴こえるではないか！
これはちょっとした衝撃でした。
これまで聴いた中では、一番リマスターの効果（音質向上）が感じられるアルバムだ。

実はビートルズのアルバムの中では、
『ヘルプ！』ってそんなに好きなアルバムじゃなかった。
というのも、好きな曲も多いんだけど、いかにも間に合わせ的な気がして。
でも、今回のリマスター盤で『ヘルプ！』が前より好きになった。

改めて『ヘルプ！』を聴いて思うのは、
やはりまだまだ、ジョン優位ということ（あくまで僕の主観ですけど）。

このアルバムでポールは「Yesterday」という大名曲をものにするけど、
ジョンに比べたら、まだまだ突き抜けない曲が多い（気がする）。
例外は「I've Just Seen A Face」くらいだろう（これは名曲！）。

「I've Just Seen A Face」The Beatles

ジョージ・ハリスンの2曲も悪くはないが、
ジョンやポールに比べると、１歩も2歩も遅れている感は否めない。

それに引きかえ、ジョンの「Help!」「You've Got To Hide Your Love Away」
「You're Gonna Lose That Girl」「Ticket To Ride」のきらめき。
オリジナルではないが、「Dizzy Miss Lizzy」での余裕のロックンローラーぶり。

「You're Gonna Lose That Girl」The Beatles

『ア・ハード・デイズ・ナイト』ほどではないにせよ、
『ヘルプ！』もまた、ジョン・レノン色が際立った作品と言えるだろう。

タグ：ビートルズ リマスター ヘルプ！

コメント 9

こんばんは～♪
今回の「リマスター盤」って聴く人によって、凄く差がある
ように思えますが？もちろん聴いてる機器の違いもあるんで
しょうが・・・。ある人は「これ以上のモノは望めない」、
なんて言ってる人もあれば、「失望した！」なんて意見も
聞いています。私は『Mono Box』はまだ聴いていませんが
聞くところによると、ステレオ盤よりも迫力が無いとか、
カッティングレヴェルが低いとか言われてますよね。
ホント興味の尽きない音源なんですね？！
by c-yukky_z (2009-11-15 20:18) 

うまNAVIさん、nice!ありがとうございます！
by walrus (2009-11-15 22:35) 

c-yukky_zさん
僕の環境は余りよくないので、参考にはならないかもしれませんよ。
でも確かに聴く人によって、評価も違うようですね。
例えばアナログでビートルズを知った人は、
僕らみたいなCD世代とは感覚が違うだろうし、
もちろん使用機器や、その人の好み（迫力あるサウンドが好きなのか、広がりのあるサウンドが好きなのか）によっても変わってくるだろうし。
絶対、というのがないところがまた面白いのかもしれませんね。
by walrus (2009-11-15 22:46) 

今度の17日だったかな？NHK BSで
ヘルプの映画がオンエアされます。
久しぶりに観る予定です。(*^ω^)ﾉ
by ぷーちゃん (2009-11-15 23:44) 

ぷーちゃん
ヘルプは観たことないんですよね。
NHK BSも入らないので、観れませんでした…
by walrus (2009-11-22 10:24) 

こんばんは、ご無沙汰してます。
僕も、白箱と黒箱、並べて聴いてます(金欠)、リマスタリングに携わったエンジニア達が念頭に置いてない、と言われるiPodで。
イヤホンで聴くと、
Please Please MeとWith The Beatlesは、Monoの方が圧倒的に好み。Stereoは、音が片寄せの上に、左右の音がズレてて妙なエコー感覚が、イヤホンだと、辛いです。
A Hard Day's Night、For Sale、Helpは、意外や、Stereoが結構好いです。
全般的に、音が良くなった、を感じるのは、Stereoですね、やっぱり。
Monoだと技術的に難しいのでしょうか？

>　やはりまだまだ、ジョン優位ということ（あくまで僕の主観ですけど）。
同じく、Helpまでは圧倒的にJohnがBandの支柱だと改めて感じました。

by substitute (2009-11-23 20:00) 

substituteさん
僕も通勤時はipodですが、それなりに違いは分かるもんですよね。

＞ Please Please MeとWith The Beatlesは、Monoの方が圧倒的に好み。
＞ A Hard Day's Night、For Sale、Helpは、意外や、Stereoが結構好いです。

まったく同感です。
ただA Hard Day's Nightは曲によってという感じでしょうか。
どアタマのジャ〜ンは、全然印象が違いますよね。
慣れているせいでしょうか、ここはやっぱモノだなあ、
と僕なんか思ってしまいます。
by walrus (2009-11-25 02:12) 

おはようございます。

僕はmonoのみ入手なんで聴き比べはできないんです（苦笑）

購入直後に一通り聴いたあと、
ちょっとリマスター盤から離れてます^^;
また聴き直してみなきゃです。

monoの音が未知の世界だった僕は、
ソレを聴くだけで興味津々でした。

よく”音の塊”って言葉で表現されるmonoの音。
意外とスッキリしてるなと言うのが最初の印象でした。
もっと分離が悪いのかと思ってたんで^^;
どちらが良い悪いの話でなく。

『HELP!』
僕もあまり聴いてないアルバムなんです。

どうしても、その後の2枚ばかり聴いてしまうんで^^;

言われてみれば、
walrusさんが仰るようにジョン主導のアルバムですね!!

小細工ナシの直球勝負。
そんなジョンが聴ける最後の作品だったりして。。。

by DEBDYLAN (2009-11-29 08:42) 

DEBDYLANさん、

僕も聴き比べなんて、いっちょまえにやってますが、
僕のような限定された環境では、本当のリマスター効果や
Monoのよさというのが分かってないのかと思うと
ちょっと寂しいような悔しいような…
（ああ、せめてそこそこのステレオシステムが欲しい…）

＞ どうしても、その後の2枚ばかり聴いてしまうんで^^;

強烈な2枚ですからね。
この辺はポールもジョンと互角のいい勝負をしていて、
さらにジョージも確固たる存在感を打ち出していて、
4人のバランスが非常にいいと思います。
by walrus (2009-11-29 19:06)